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<<第42夜


第四十三話 プロの通信 ( Professional Operation )

皆さん、今晩わ。

PXBも以前発言したとおり、30年前返還されて間もないJD1に遊びに行ったおり、今は無き東海汽船の椿丸に乗船していきました。(その後、家の親父が初代村長になるとは、思ってもみなかった。)

無線小僧だったので、無線室に入り浸りで装置を見学させてもらった。当時の椿丸は、戦前からある老朽船で、設備も古かったように思う。現在のように、PINダイオードで無接点のフルブレークインでなく、パワーリレーのごついのが、ガャガチャ音を立てていた。

オペレータは、2級通信士が担当していて、電報のやりとりを見ていたが、トラフィックハンドリングのやり方は、以前からワッチしていて知っていたので、これなら自分でも出来ると思っていた。

肝心の彼のキーイングの技量はお粗末で、見ていてやきもきしたのを覚えている。あの番組は見なかったけど、たぶん同じだったと思う。人指し指と中指を揃えて、指の腹の中間部でキーを押していた。見ていて頭が痛くなった。

キーイングとオペレーションに関しては、現在アマチュアの方が上を行っていると思える。つまり彼らは、プロだから通信の確実性が最優先事項であり、5KW,10KWのビームアンテナから飛んでくる599のシグナルを聞けば良いし、船舶からの信号も、大型の海岸局のアンテナで、良好に受信可能だ。従って、確実性の下がるハイスピードにはほとんど縁がない。どんな叩き方をしたって、相手が取れれば良い。一般には、我々アマチュアの方が、コンテストやDXで苦しい受信を強いられる機会が多く、我々の方が腕が良いオペレータと思う。
だから、オンエアで自分は元プロの通信士でと言われても、恐れ入ったことは全くないし、それでは、縦ぶれに変えますとオンエア時に切り替えても、結構寸詰まりの符号で、相手の符号で舌を巻いたことはない。PXBのほうが綺麗だ。

唯一の例外が漁船のオペレータだ。2MHz台にいた彼らの交信を、昔よく練習でワッチしていたが、やり取りの手際よさに感心して聞いていた覚えがある。符号はBK100から繰り出される、和文親父型の符号だったけどね。HI また、漁船の場合はアンテナも比較的小さく、アフリカ沖のマグロ延縄漁船などでは、伝搬状態によっては空電などで相当苦労したのを、430MHzの昔語りで聞いたことがある。そのとき、ピンと来たのは、みんなが毛嫌いする、和文親父のあのキーイングは、漁船のプロから来た物と理解した。

1)今から30年以上前、聞いた漁船のBUGは、おしなべてあのタイプの符号である。そして、2MHz台は80メータと同様の独特の空電がある。
2)あの符号の平均ボーレートは以外と低く、ボーレートを下げるのは、ノイズが多い環境では有効なのは現代でも通用する。
3)空電が、ばさっと被さったとき、長点が長い符号はトータルの了解度があがる。1:3の正確な符号では、被害を受ける文字が2文字以上に渡ってしまう。

あの符号は、このように十分な理由があるのだ。(おら、嫌いだけど)
もし、オンエアで元漁船のプロに会ったら、我らCWマンはアラーの神のごとく奉り、それ以外だったら、裕仁さんのように、『あっそう』で良いと思う今日この頃です。

DE JP1PXB/JA1VJQ
3/8/99



P.S. IC756をほぼ半年使った。よくできたラジオだが、唯一の欠点。オーディオの(受信時)悪さには閉口している。TS950と聞き比べると段違い。MARさんが手放したのが理解できる。CWマンはなんとか我慢出来るが、SSB中心の人には絶対勧めない。

BUGの打ち方補足:DASHを連続送出中は人指し指とフィンガーチップは離れない。DASH符号の送出開始時にわずか離れるのみ。


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