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<<第52夜


アマ無線千夜一夜物語(第五十三夜) 00/02/12 03:34

第五十三夜 なんちゃって・スウェーデン(Fake Sweden Key)

こんばんわ。お寒う御座います。関東地方は上州名物からっ風が吹
き荒れ、タワーをきしませている今日この頃です。風邪も大流行の
ようで、ばか、おりこうさん関係なくゴホゴホやっております。
ご多分に漏れず、PXBもめでたく風邪をひいてしまいました。
どこぞのお医者さんなどは、『お注射の歌』などを口ずさみながら
点数かせぎにいそしんでいるでしょうね。えっ、あの歌知らない?
それでは、再掲載を、カチューシャの歌で、さんハイ♪

   かーんじゃーの腕まくれーばあ
   おーちゅーしゃのーうーたあ
   必要なーいけーど、打ーてば保険はいる
   必要なーいけーど、打ーてば保険はいる。ほい。

皆さんも気をつけて下さい。咳してる人も前には、絶対近づかない
ように。『バーリヤ←最近知った』なんて言っても効きません。

閑話休題

石垣OMから、かたじけなくもスエーデンキーが届きました。早速梱
包を解き、トランシーバに繋ぎました。なかなか良いタッチです。
これで、このキーも石垣OMの元に居るよりも、幸せな余生を送るで
しょう。ごっつあんです。(違うって Hi)

さて、せっかくのご厚意を受けた以上、何らかの書き込みをする事
に致します。結論から言うと、このキーは買いです。幾つかの特徴
をハイモンド社のHK-802と比較しながら、説明します。この2つは
構造が酷似していますので、どちらかが真似をしたんでしょうね。

1)梱包
スエーデンキーは、比較的頑丈な木の箱に入っています。外国から
の移送を考えれば安心な構造ですね。日本では、コスト的に引き合
わないでしょう。この木箱に2個所でねじ止めされていて、このね
じを机の固定に使うことができます。

2)こう幹の支持方法
HK-802が高張力のピアノ線2本で支持されているのに対し、スエー
デンキーはステンの板バネ2枚で支持されています。これらの方法
は、原理的に横ずれのガタを無くす、大変優れたアイデアです。
どっちが先に考えたんでしょうかね。日本か北欧か? どっちに、
『なんちゃって』の称号を与えるかの境目です。Hi
長期の金属疲労はどうでしょうか?人間の方が先に参るとは思いま
すが。

3)接点周辺構造
我々になじみ深いキーは、接点がこう幹の支持部より手前にありま
すが、この2つのキーは奥のほうにあります。こう幹の端に金属板
が舌状にはめ込まれていて、HK-802は真鍮板、スエーデンキーは堅
い鋼板が使われています。

4)接点
接点部そのものは、HK-802では堅めの金属、おそらくタングステン
が上下に埋め込まれていて、下側が丸くRが付いているので点接触
になっています。このため、ばねの設定を軽くしたときや、キーイ
ングが不確実な場合には、このHK-802タイプのキー最大の欠点であ
る、チャッタリングを引き起こします。
スエーデンキーでは、舌状の堅い鋼板が上側のタングステンの円柱
に面接触し、堅めで確実な打鍵の感覚が生まれます。

5)ノブ
HK-802のノブの形状は、ベークライトの色をした頭頂部にRの付い
た、PXBの好きな大きさと形で使いやすいものです。 スエーデン
キーは、それより2回りくらい小さな形で木製です。この木製のノ
ブは、指先のスリップを押さえ、使い心地の良いものです。木製で
HK-802の形状のノブが理想ですね。

6)バネ加重
HK-802はスプリング、スエーデンキーは板バネにより調整します。
どちらもスムーズな調整が可能です。但し、HK-802では最大荷重に
制限があり、正統派である(疲れない)堅めの設定が好きな人から
は文句がでるでしょう。
どちらも押しのタッチは柔らかでFBですが、スエーデンキーのほ
うが、ほんの少しだけ柔らかです。

7)重量配分など
スエーデンキーは、HK-802に比べて2/3-3/4程度重量が軽くなって
います。しかも2つのキーは、共にこう幹が手前の方に大分長く伸
びています。
以前、数時間の長期に渡る正確な打鍵には、長点を打つ際には、腕
の重量をキーで支えるのがコツであると言いました。極端に軽くバ
ネを設定すると、常時腕の重さを自分の腕だけで支える羽目になり
長点を打つときに、キーに寄りかかって休むことが出来なくなるた
め、長時間の打鍵が不可能になります。
この2つのタイプのキーは、こう幹が手前に長いため、強く腕の重
量を掛けて寄りかかると、キーの奥が浮いてしまう欠点がありま
す。従来タイプのキーでは無かった現象ですが、これは致命的な欠
点ではなく、机へのねじ止め、又は両面テープによる固定で対処で
きます。

8)総評
HK-802は、特にバネの設定を軽くした場合、極めて正確で注意深い
打鍵をしないとチャッタリングを起こす欠点があります。バネ設定
を軽くすることは、本来の縦ぶれの正しい打ち方とは異なります
が、スエーデンキーの場合は、バネを緩くしても常にカチッとした
確実な打鍵の感覚が得られます。この点はさすがです。

ハイモンド社のキーも、舌状の板を真鍮板から堅い鋼板に変え、接
点を面接触に変えれば、スエーデンキーのタッチにかなり近くなる
と思います。

スエーデンキーのベストの接点間隔は、HK-1Zのような従来型の
キーよりも少し狭くした設定がベストのように感じます。従って、
高速の打鍵に向いたキーだと思います。

また、接点間隔が広いと、その人の打鍵の技量がもろに出て、全く
ごまかしが利きませんが、このキーではベストのタッチを得る接点
間隔が通常のキーより狭くなるので、ごまかしが効きますね。Hi

一生もので、性能の良い縦ぶれが欲しいとローカル局に聞かれたら
ハイモンド社のHK-1Zの他に、このスエーデンキーも追加できるで
しょう。

DE JA1VJQ / ex.JP1PXB


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