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<<第10夜


アマ無線千夜一夜物語(第十一夜) 97/05/04 15:21

第十一夜 ほんとにあった怖い話

相模原にいたころ玉川大学で音楽の勉強をしていた黒滝君と一緒に
ビリヤードを楽しんでいた。彼のホームは札幌で相模原で下宿をし
ていた。彼は他にもルアーフイッシングも嗜んでいて、北海道方面
の渓流釣りに関してかなりの薫陶を受けたものだ。人なつこい性格
もあって、5−6年前の当時キャンパスでだいぶ名前を売っていた
ようだ。

ほかに、彼は心霊現象を身近に体験していて、彼の友達にもそうし
た霊力の強い仲間がいたそうだ。例えば、玉川大学の仲間とみんな
でファミリーレストランに食事に行ったとき、仲間のスプーンが何
も触らないのにぐんぐん曲がってしまう。使えないので取り替えて
もらう。また曲がってしまう。それを2回繰り返したら、厨房のほ
うからレストランに従業員がみんな首を伸ばしてこちらを伺ってい
たそうだ。またある時は、踏切で電車を待っていた。ふと前を見る
と女の人が踏切の反対側で電車の通過を待っている。彼は直感的に、
  『あっ、この人死んでいる』
と思ったそうだ。電車が通過し踏み切りが上がってその女の人とす
れ違ったとき、彼女は彼にすれ違いざまささやいたそうだ。
  『どうしてわかったの?』

これは彼が高校生の時の話。誰でも一度は心霊現象などに興味を持
ち、こっくりさんの話は聞いたことがあると思う。こっくりさんと
いうのは、3本くらいの棒を使い、たいまつを保持するような格好
を作り、上部をこっくりさんに参加する全員で支える。床の上には
文字や図形の表を置いて棒が指し示す文字でこっくりさんが何とお
っしゃるかを聞くわけだ。

好奇心旺盛な黒滝君を初めとする高校生が4人、アマチュア無線を
やっている友達の部屋に集まった。部屋を暗くしてローソクを灯し
みんなが一斉に唱和し始めた。
  『こっくりさん。こっくりさん。................』
最初は何も起こらなかった。皆があきらめかけた頃、ローソクの炎
が揺らめくと同時に、急にその部屋の持ち主、アマチュア無線をや
っている彼の無線機が雑音を発生し始めた。
  『ガサッガサ、ザー こちらはJA8○×△、JA8○×△、
ザー』
雑音混じりだったが、コールサインは確かに聞き取ることができた。
全員がびっくりして腰を抜かした状態になった。無線機の電源は切
ってあった。そこから音が出たのだから。これ以上継続するのは危
険と判断し即座に中止した。やめだ、やめだ。

さっと雨戸を開けると秋の柔らかな日差しが部屋に差し込んだ。
黒滝君一同恐怖の醒めやらぬ顔を見合わせて安堵のため息をついた。
ところが一人だけ真っ青な顔をして、ふるえ続けている仲間がいた。
アマチュア無線をやっている彼だ。
  『いやー、怖かったな。だけどこっくりさんはもう行ってしま
ったよ。何をそんなに怖がっているんだよ』
と黒滝君が話しかけた。
しかし、彼は何も話したがらない。小一時間も経った後、彼はよう
やく重い口を開いた。
  『実は、あのJA8○×△のコールサインの持ち主は2週間ほ
ど前にバイクの事故で亡くなっている僕の友達のコールサイ
ンなんだ......』


夜中にいきなりスケルチが開いてコールサインが聞こえたら、リグ
に電源が入っているかよく確かめよう。またそのコールサインに聞
き覚えがあるかも........



GUD NITE

JP1PXB/JA1VJQ


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