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<<第14夜


アマ無線千夜一夜物語(第十五夜) 97/06/14 06:17

第十五夜 電信マンの国際化 (International Ham Radio)

すでに諸先輩が何回も色々な場所で発言しているように、HFのリグを買いアンテナ
を建てるだけで否応なしに個人レベルで国際社会に放り出されるのがアマチュア無
線だ。従って普通に運用していれば必ず、外国人との接触が生じる。その接し方に
よって単なるメンコ集めに終わるか、自分の電波の飛んで行った彼の地の文化や人
に思いを馳せることが出来るかで、楽しみが大きく変わってしまう。

友達のJA1AHD長谷川OMがこの前嘆いていた。彼の友人のDxerの娘さんが、サン
ディエゴに留学することになった。そして長谷川OMに聞いてきた。
  友人 『サンディエゴっていったいどんなところだい?』
  長谷川『お前交信したことぐらいあるだろう。』
  友人 『そりゃあるけど、カードあるだけだから。』
メンコ集めだけに走ると、こうしたDXボケになってしまう好例だ。DXを長年やっ
ているのだから強力な武器は持っている。それ使ってサンディエゴにおなじみさん
の一人でも作れるだろうに。

国際化が叫ばれてもう何年にもなるが、民主主義のない封建国家または最も成功し
た社会主義国家である我が日本は、大和銀行が米国からkick offされたり、ゼネ
コンの談合体質、ピントはずれのODA、天下りの支配する外郭団体に全て利益をと
られ馬鹿高い通行料を取る道路公団(これは猪瀬直樹氏の著書"日本国の研究"な
どに詳しい)など、国際社会の常識からいかにかけ離れているかの認識が、御上・
企業・個人レベルで全く進んでないように見える。

国際化というのは、外国語に堪能なことでもなく、海外に支店支社や工場を沢山持
っていることでもなく、外国に滞在した経験が豊富なことでもない。真の国際化は

1) 世界の常識を常識として感じること。
2) 世界には自分たちと異なる考えや文化を持つ人がいることを認識すること。
3) そして、その人たちを尊重すること。

これが国際化である。この定義からすれば問題の通報が世界の常識なのを無視して、
問題をひた隠しにした米国大和銀行が出入り禁止は当然となる。
友達のAndy(安藤さん)は米国の半導体工場で働き、ティファナのメキシコ工場によ
く出張する。賃金の安さを狙って、三洋電機も洗濯機などの白物(White Goods)を
作っている。昼休みにレストランで食事をしていると、隣のテーブルに座った三洋
の技術者が嘆いて言っているのが聞こえる。
『メキシコ人ときたら、少し技術を教えてやっと使えるかなと思ったとたん
 すぐやめて給料の良い他に行ってしまうんだから。』
まったく同じ事を、本田系列でタイに工場を造っている義理の兄貴が言っている。
給料が良い、待遇が良い所に移るのは個人の当然の権利であり、アジア、北米など
では当然の考え方で世界の常識である。こうした国際感覚の無い人は、海外に行か
ない方がよい。自分たちはやめた彼らをとうして、メキシコなりタイなりの技術の
向上に貢献したなんて発想は皆無だ。

ここで是非お願いしたいのは、HFに出られる人とくに貫通力の強いCWマンは、即
時に国際舞台に出られる強い武器を持っているのだから、交信したらその相手や彼
の地の文化背景などに思いを馳せてまず個人レベルで国際化を果たしてもらいたい
ものだ。手紙を出してもいいし、いつも声を掛けておなじみさんになるのも一方法
だ。そして、海外に行くチャンスでもあれば日本人村などと揶揄されるグループ行
動を取らず、積極的に分け入って文化を吸収してほしい。


GUD NITE
DE JP1PXB/JA1VJQ


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