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<<第33夜


第三十四夜 主要トランシーバの性能比較 ( Comparison of Xcvr )

お晩です。今夜は現在主要なトランシーバとして、HFで使用されている製品が3台我が家に集まる機会があったので、聞き較べてみた。これは実戦的で、どの機械にしようかなと考えている人の参考になるかもしれない。今回持ってきたリグは、TS950SD, TS870, IC756の3台で、全てフルオプションである。但し、以下の制約が有ることを念頭に置くこと。

1) 3台を聞き較べた時間は6時間ほどしかない。
2) のどかな日曜の昼下がりの7と10MHz帯だけで聞いた。
3) 従ってシビヤな混信はない。
4) 測定器などは持ち出していないので全て主観である。
5) CWしか聞かんもんね。SSBなど問題外。

各リグの操作は、そのリグに慣れたものが、その最高の聞き易さに調整した。設定によって相当変化するので注意深く設定を繰り返した。そして全く同じ音調にして、同軸スイッチをパチパチ切り替えて判断した。以下かなり勝手モードの主観を各項目別に述べる。

1. 総合評価 --- TS950
とにかくPXBのような、あるレベルを超えたロケーション(標高200mの丘)とアンテナ(20mHの八木)と低ノイズレベルの環境(えへん、えへん)で較べた場合、大きな差違は見あたらない。なに、それじゃ つまらん?

CWが好きで金のある人----TS950がよい。FT1000ランクも含む。
CWが好きで金の少ない人--TS870にしなさい。
CWが好きで金の無い人----勝手にしなさい。

2. CWの聞き易さ --- TS870
TS870が一番長時間ワッチに耐えそうだ。設定次第でCWのFMみたいな設定が可能である。どうも、持ち主が使いこなしてないようだったが。500Hz程度の低い音調の設定にして、フィルタを200又は400Hz 程度の帯域にして、AGCを多少遅めにして完璧。音調が高く、帯域が 広い設定では、逆にノイズの音が甲高く、一番聞きづらい機械になっ
てしまう。
IC756とTS950は2台とも同レベル。TS950が互角に戦っているのを見ると、その発表年を考えれば基本性能の良さを再評価。

3. 音の自然さ --- TS950
新しい2機種はDSPを受信にも駆使している関係で、どうも音が不自然である。今発売されている機種の中で一番オーディオ段に配慮がされてクリヤで自然な機種はJRCのJST245である。ここは本人の好みですね。通信、相手の言っている事が判ることに着
目するか、忠実度にこだわるか。

4. コンセプトの面白さ --- IC756
バンドスコープは見ていて飽きない。突然5秒位いつものガガガというノイズ(北朝鮮と思うが)が出た瞬間、数十KHzに渡りノコギリ状の 波形が観測された。また空電などでノイズフロアがふわーと上昇するのも、この目で観測できる。百聞は一見にしかず。
こうした興味深さとは別に、真に運用に役立つのは、各局の信号強度のスキャン状態から、DXのフェードイン、フェードアウトをDXハンティングやコンテストなどのQSYの判断材料に使えることである。ただ LCDの耐用年数が心配なのと、野外運用で明るい所では一番表示が見にくい機種になりそうだ。

5. フィルタの聞き具合 --- TS870
TS950,IC756のような機械的な部品を使ったフィルタを狭帯域にするとリンギングの問題が付きまとう。つまり、大きな土管の中で音を聞くような、不自然な反響を起こして取り辛いことこの上ない。従って、クリスタルフィルタなどの、実用限度は500Hz位である。250Hzのフィルタは、コンテスト等で相手が国内などの、強い信号がひしめき合う場合に限って有効。従ってどの機種に置いても500Hzのフィルタから先にオプション搭載するのが常識となる。
TS870の場合、このリンギングの問題はほとんど感じられず、50Hz幅まで絞ることが出来る。昔のオーディオQマルチと何という差か!! 実際の運用では50Hzまで必要としないが、このDSP IFフィルタの切れは驚異的である。PXBの内心の期待は、TS960? ,TS970 ?などの未来の機械にこの技術の集大成がのっかること。

オーディオ段のピークフィルタは、IC756はDSPで行っていて、TS950のアナログ式より効きはかなり良い。そのためIC756では、選択度向上の主要手段の一部となっている。TS-950のAF VBTもそこそこ効くが、おまけの機能的要素である。

6. ノイズリダクション機能 --- ???
ノイズ除去に関して、TS870は弱い局に対しやや聞く程度。逆にこのスイッチが入ったまま強い局を聞くと、クリッピングを起こす。IC756もいまいちの感がある。かえってTS950に外付けとして装着したW9GR DSP 2の方が、除去機能が上のように感じた。
IC756のノイズブランカは、強いパルシブなノイズにはTS870より効きがよいとの別レポートあり。

7. 操作性 --- TS950,TS870
とにかく、シャープなオペレーションを目指すには、どんなに機能が豊富でもそれを実現するのに、Fキーを押して何か他のボタンを押しながら表示を見て確認などのステップがあっては、元も子もない。トグルスイッチ的操作も不可。その点、ICOMのエンジニヤはセンスが無いね。IC706の内蔵エレキーの速度調整以来、そのややこしさには定評
がある。なぜ一個のボリュームにせんかい。TS-950は機能に対してボタンやつまみが、ほぼ一対一の関係にあるので使いやすい。TS870も許容レベル。

8. その他 --- IC756
50MHzを含んでいる機械は3機種の内これだけ。しかも100W出せ本格的である。6メータ専用機が見あたらないだけ、このバンドを好きな人でサブ機が必要な人には良い選択だ。


以上の評価は極めて主観の強い結果なので、実際のユーザの意見も書き加えて欲しいと思う。いや、それは誤解でこうすれば等の意見を求む。

GUD NITE
DE JP1PXB/JA1VJQ


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