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<<第40夜


第四十一夜 バイブロプレックス ( Vibroplex Story )

こんばんは。かなり以前に約束したバグキーについて今夜は語ろう。PXBが最初にバグに出会ったのは、今を去ること20年以上前(いつもこれだ)お友達の和田君に連れられて、立川の高専の文化祭の無線部のデモでBK-100を見たのが最初だ。その時は、電話少年で面白いキーがあるもんだ程度にしか思わなかった。
その後大学のクラブで初めてバイブロプレックスのバグを見た。その頃はこの有名なメーカの名前も知らず、その構造のユニークさと先輩の上手なキー捌きに見とれていた。先輩の熊さんJA8BRKは、山水電気に就職したがオーディオの不景気でその後どうなったろうか?就職の面接で、試験官から、『君は球とトランジスタとどちらが好きか』と聞かれて、『真空管は暖かいので、暖かい音がするから球です。』と法螺を吹いて、採用
された強者だ。そのキーは今JH1SVOの家にあるので、今度分捕ってやろうと密かに狙っている。恐らく米軍辺りから流れた物と想像している。

バグの歴史はイコール、バイブロプレックス社の歴史と考えて良い。ちょうど、今から100年くらい前に、既に現在の構造は確立されていて基本的な変化はない一応、各部の名前をバグを使う常識として記載すれば、

Blade: 鋼の薄い振動板
Dot Contact: 短点用の接点。U字型で接点に銀。
Damper: 振動に機械的なダンピングを掛けている。
Pendulum: メインの短点用振動部。
Yoke: 支点の部分で、可動部全体を支える。型多し。
Moving Arm: yokeに支えられて動く太い可動バー。
Weights: 重り。これを調整して速さを決める。
Fingerpiece: 指が直接触れる、プラスチック板。

バイブロプレックスに限らず、バグの調整法の TIPは、

1) アームとペンデュラムは基台と平行、一直線に調整すること。
2) ペンデュラムとダンパーは、軽く接触していること。短点から復帰し
 たとき、すぐにペンデュラムの振動を抑えること。
3) 重りとダンパーは接触しないこと。
4) 短点は、15-20位はしっかりした符号がでるように調整する。多くの
 人は、短点の符号ウエイトを、重く調整してしまう傾向がある。
5) 短点の接触音は、独特のキンキンした金属音がした位置が良い。
6) 短点のスプリング調整は、まず自分の好みの強さに調整する。そして
 それをさらに、2倍位の強さにする。バグの調整とエレキーのパドル
 の調整は異なる。自分のリストで符号を作らなくてはならない点が、
 エレキーと強さが異なる理由。
7) 長点のスプリングは、短点よりやや強めに。ここら辺は、縦ぶれキー
のスプリングが、強めの調整が正しいのと一致する。
8) 最後に、手持ちのエレキーと比較してみて、短点の調整を再度行う。

変わり種のバグには、垂直のタイプや、短点長点両方とも自動送りのタイプなどがある。両方とも自動送りのタイプは非常にごついが、クロームメッキで大変美しいキーヤーだ。去年初めて紹介して以来、「Keys Keys Keys」を入手した人も沢山いると思うが、32ページに掲載されている。日本で有名なコレクターは、JN1GADさんで、色々な雑誌などで紹介されている。亡くなったJA1PANさんのカードにも、色々キーが写っていた。ものを集めるのは、人間の本能みたいなもので、否定は出来ないが、手は二つしかないので、PXBには興味はない。

先日EVPさんと交信したとき、バグを使っておられたが、彼はまだ慣れてない打ち方だった。その後上達しただろうか? 最近430でアクティブな下町電信クラブでは、今ちょっとしたバグのブームで、JA0SVO/1藤森さんもBK-200を衝動買いした。彼もまだ慣れていなく、例えばJを、普通は『戸通通通』聞こえるのが、『戸津津津』とやたら長点が短い。彼はエレキーから入門しているので、各符号の出だしのタイミングは正確だけど、まだ鼻つまみ状態だ。藤森氏の名誉のために言うが、エレキーでは彼は流れるような和文を打ちます。

これから、バグをやろうかという人に対する、有効なアドバイスは、

1) 普通、長点が難しいので、これを克服する有効な練習は、長点レバーだけで、縦ぶれのように正確な符号を打てるようにする。逆に、この努力を放棄すると、『和文電信たこつぼ親父』に変態をとげる。

2) 人間が、手を自然に机上に置いたときの、親指と人差し指の間隔を考える。少なくとも、1-2cmはあるでしょ。だから、日本のパドルはださいんだっちゅーの。BK-100のレバーは幅が無く、不自然な位置となっている。お勧めはバイブロプレックスのように、幅のあるレバーを持つバグだ。

3) たこつぼ親父になりたくなければ、短点を速くしない。あの和文親父がやっている、短点が極端に短い、『和文おやじ、短点の蛸壺』にはまらないこと。外国にも居ないことはないが、日本の狭い和文の世界を象徴している。第一、みっともない。

4) バイブロの場合、普通の設定では、120字/分以上になるので、予備ウエイトを米国から輸入するか、東急ハンズで重りを作るか、自作すること。

5) どんなバグでも、振動数をX Hz/Secまで遅くするには、重りを遠ざけるか、その位置での重りを増やすの2通りの方法がある。出来るなら重りを遠ざけるのが正解。質量が増えすぎると、ダンパーで振動を押さえるのが困難になり、余分な符号が出やすい。(しっかり聞いている暇人もいるので、注意)

6) 究極の目標はエレキーと同等の、符号精度では無いことを認識すること。聞いて心地よく、取りやすく、手作りのぬくもりが感じれれる符号が目標なのだ。それには、自分の符号を注意深くモニターすること。

去年の秋口に、ニュースで漁業無線局が遥か南洋に出かけている船舶に対して、お正月の電報を打っている取材があった。どんなキーを使っているかと興味津々でワッチしていたが、使っていたのはなんのことはないBK-100。しかし、驚いたのは、そのBK-100にのっけていた重石。キーの体積の4倍はありそうな重石を載せていた。あれじゃ、どんなハードヒッターでも、キーが動く前にレバーがこわれる。
でも、あのようなキーが紅白歌合戦に対して、『なんきょくのゆきは、しろかった』なんて親父ギャグ飛ばしたり、悲喜こもごものメッセージの主役だったんだなとの感慨があった。

GUD NITE
DE JP1PXB/JA1VJQ
12/26/98


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