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<<第1夜


アマ無線千夜一夜物語(第二夜) 97/03/07 00:50

第二夜:パドル(Paddle)

昔々、エレクトロニクス・キーヤーが初めて導入されたころ、お金
のないアマチュア無線家は金鋸の歯で可動部分を自作した。放した
瞬間かってに振動してよくタッチミスをしていた。先日JA1VX、香取
OMをお邪魔したとき、自作の真空管式エレキーを拝見した。タッチ
は非常に重く打ちずらかったが、いまだに完動品だ。うーむ、これ
が1950年代後半のコンチネンタル・リーダーの得点をを叩き出し、
我々がはな垂れ小僧の頃、庄野OMとDXを競い合ったキーかとしげ
しげ眺めた。このキーのパドル部分も金鋸を流用しているように
見受けられた。

エレクトロニクス・キーヤーの接点の機械的部分をパドルと呼ぶ。
エレキーの機械的部分だけを、FBにしあげたものが市販されている。
最近のリグはエレキー内蔵なので、機械部分だけでいいわけだ。
タッチ感覚、重量、接点の構造、外観すべての点で外国製品に
軍配が上がる。コストが高いがこれからの10年20年のCWライフ
を考えれば、安い買い物と言えるので外国製にすべきと思うし、
第一Owner's proudshipが持てる。以下自分の愛用している4個
のパドルを紹介するので参考にしてほしい。(手は4本ないけど)

ベンチャー(Bencher):
ご存じ『Complete DXer』の著者W9KNIが社長さんをしているメーカ
です。クロームのピカピカのメッキで、非常にユニークな構造を
している。タッチは軽い方でベースはかなりの重量がある。特に
おもしろいのは、パドルに衝撃を与えると簡単にアクリルのレバー
が外れることで、ダメージを防いでいる。移動用に良いかもしれな
い。調整用の6角レンチが裏に付けられるようになっているのは
親切だ。接点に達する板が薄く、タッチが柔らかく感じる。この
柔らかさを好む人と好まない人がいる。
他に黒いベースのものや、ブラス(真鍮)色のタイプもある。外人
はブラスを好み、日本人はニッケル・クロームメッキがお好きな
ようだ。

ケント(KENT):
これはたしかイギリス製だったかと思う。最初に見たのはサンノゼ
のHROだった。見たとたんすぐ購入した。恐らくJAの最初のころ
のユーザじゃないかと思う。その後1年位経ってからJAのCQ
誌に紹介記事が載った。今では東名電子やハム月販で簡単に手に
入る。これがPXBの一押しだ。特徴は、ハードヒッター向きで
全然動かない。これは足ゴムに秘密があり少し粘着性がある。
重いことも手伝って、全然動かない。さらにとても頑丈であり
ボールベアリングで動きもスムースである。レバーの幅も充分
ある。値段も4種類の中では一番安い。接点の当たりは堅く、
好みが分かれると思う。

バイブロプレックス・ダブルレバー(Vibroplex):
バイブロプレックス社は1890年代からの専業メーカで老舗だ。
あの虫(Bug)のマークはバグキーの代名詞だ。かなり以前から
あるパドルで、持っている人も多い。このキーは外観が素敵だ。
プレゼンテーションのバグキーと並べておくととても映える。
赤いレバーとクロームメッキがYLさん向きかもしれない。
レバーの支持方法が良くないので若干のがたが出るが、実用上
問題はない。これは好みだが、赤いレバーの間隔が少し狭すぎ
ると思える。

シュアー(Schurr):
これまたご存じ鬼の高速平文電信マンX氏がご愛用。
彼に言わせれば高速CWに最適とのこと。
ドイツ製の手作り品だ。非常に丁寧な
作りで、がたも無くスプリング構造は基台に隠れた凝った作り
になっている。シャックに飾って置きたい。OMさんで見栄を張りたい
人は是非どうぞ。使いさえしなければタコオペレータでもばれない。
唯一の欠点はくそ高い点である。HROで買ったから日本より少し
安かったけど。ハムフェアでは触る人は多かったけど、買う人は
少なかったようだ。

メンテナンス:
手入れは、完全に分解して中性洗剤の丸洗いを行う。完全に分解
する覚悟が無い場合は、絶対丸洗いはしないこと。洗剤液が回り
こんで、接点以外の所、ネジ部などで接触不良を起こして困る
ことがある。たばこをよく吸う人は、接点だけはまめにアルコール
で拭くこと。丸洗いしたあとは、水洗いしてから乾かす。
ここ一番のときに、接点不良はKey manの恥。


以上4種類ともレベルに達しているパドルだけど、最大の欠点は
以下のとうり、

警告:旦那、こんなパドルを買って下手な符号は打てませんぜ。


de JP1PXB/JA1VJQ
3/7/97


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