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<<第2夜


アマ無線千夜一夜物語(第三夜) 97/03/08 06:39

第三夜:バタフライ・ダイヤグラム(Butterfly diagram)

昔々、数百年も前のこと地球を小氷河期が襲った。これをマウンダ
ー・ミニマムと呼び、当時ロンドンのテームス河が完全結氷して馬
車がそこを走っている絵画が残っている。  これはNHKの特集番組
の中で紹介され記憶に新しい人もいるだろう。さらに番組では、高
地に生える這松の一種で、数百年も生きた木をくり抜いてサンプリ
ングし、年輪を調べることで確かに数百年前樹木の生長が著しく阻
害された時期があると検証された。太陽の輝きが著しく弱かったに
違いない。我々は今2万年に渡る温暖な間氷期の丁度真ん中にある。
世界各地で発生した古代文明が5000年から6000年前と考えれば、こ
の気候と文明の発祥が完全にシンクロしているように思える。

太陽の元気さに影響を受けるのは、現代文明の恩赦に浴するアマ
チュア無線家も同じだ。番組を見ながら感じたのは、あの小氷河期
に生まれなくて良かったと思ったことだ。マルコーニの短波実験は
大失敗、大枚はたいてタワーを建てたがウエスト・コーストもかす
りやしないなんて悲惨なことになっているに違いない。おや、今と
あまり変わりないぞ。

ここのところの無線記事をワッチしていると、『太陽の極地方に
黒点が現れ始めた。これはサイクル23の予兆か......』などど報告
されている。これは黒点の現れ方が蝶々と同じ形のパターンを持つ
ことに由来している。X-Y座標の原点0を太陽の赤道にとり、+Y方向
を+90度の北極まで、-Y方向を-90度の南極まで目盛り、X軸を年にし
てそのときの黒点の位置をプロットする。すると蝶々を90度左回転
した形が連続する。これをバタフライ・ダイヤグラムという。



+90 --------*-*
-----------****
+60 -------******
-----------******** *
+30 --------********
--------------********
--0------------------------以下11年周期で連続--------年
--------------*******
-30---------******** *
-----------******** *
-60--------*******
-----------******
-90--------*---*

このように、黒点は高緯度地方から出始めるのでみんなの期待が高
まるわけだ。ところで去年から太陽情報をインターネット経由で集
めているが、どうやら去年の夏から晩秋にかけて黒点数が底を打っ
たようだ。太陽観測のサイトからの報告では、太陽黒点ゼロが数十
日も続いたのは1920年代以来の記録と報告されている。ここでは数
時間前の太陽写真が見られるが、そのころ太陽はつるつるコッパゲ
状態だった。太陽は11年毎に磁極が反転するので実際は22年周期と
なる。しかし、早く春が来て本物の蝶々が飛び少しは聞こえるよう
になってほしい今日この頃です。


de JP1PXB/JA1VJQ
3/8/97


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