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<<第31夜


第三十二夜 可愛いお爺ちゃんたち ( Everybody's Elmer )

お晩でございます。昭和30年代から40年代にかけて無線に興味を持った紅顔の美少年たちは、厚願の中年になり果てているわけだが、当時無線に興味を持った彼らはかならず、ローカルで開局している先輩の家に遊びに行って、いろいろ指導を受けたり、カードをもらってきたりして自分も何時かはあんな立派なアンテナ(竹竿が主流だったが)を上げてと、夢を膨らますのが習わしだった。こうした指導をしてくれたよき先輩たち、即ちElmerは何処にいったのだろう。いきなり訪問するという非礼にも文句を言わず、よく教えてくれたものだった。時代ものんびりしていて物騒なこともなく、簡単に歓迎してくれた。今じゃ中坊はナイフ持ってるからね。こうした風習自体は、今は廃れていっているようだ。

各バンドともに、時代毎に雰囲気が変わって来た。最先端の無線家が開拓した実験バンド430MHz(当時は435と呼んでいた)が、今や入門バンドになってしまった。開局バンドは、いつでも懐かしいバンドだから10年20年たってから430開局組がずっとここでがんばることだろう。

全アマチュアバンドの中で、昔の雰囲気を色濃く残しているのが3.5MHzバンドだ。基本的に夜のバンドなので、DXも国内も夕方から早朝にかけてのワッチとなる。(昼の短距離からミッドレンジにも最適なのはあまり知られてないが)このバンドに深夜午前3時頃から、3534KHzからそれ以下のクリーンなスポットに毎晩かかさずお出ましになるのが、いまだに意気盛んなお爺ちゃんたちだ。全国津々浦々からQRVしてくる。

この人たちは、すでにリタイヤしており、皆が枯れた味を出している。温度を小数点以下までレポートするのがお約束で、『こちら、秋田の外気温は7.3度、気温は1013ヘクトパスカル』などとやっている。混信に非常にうるさく、少しでもモンキーチャッタが入ると周波数を変えて文句を言ってくるのが慣わし。そんなときPXBは直ぐQRTするようにしている。(7MHzの場合は、1.5KHzセパレーションで文句を言うなら、このバンドに出るなとか。300Hzも離れてるぞ、ゼロ出来ないなら250のフィルタ買えとか言って絶対動かないPXBだけど)

年寄りだから、健康の話題が多い。『最近XXさんは聞こえないなあそろそろお迎えが来たんかいな。』『最近腰が,,,,』『小便が近くて』などの話から、はるばるアイボールしたお礼の交信、季節のおたよりなど、結構のどかでほのぼのとした話題が豊富だ。

その中でも、とりわけ目立つ御大は、JA7ZRわたなべOMだ。この方は凄いよ。HFトランシーバがあったら是非拝聴してほしい。上杉謙信、山形ズー五万石の城下町からのオンエアだ。この方のジャンルは特に広く、音楽、政治経済、宇宙サイエンス、工学、歴史などのうんちくが、彼の経験・地域性により、微妙な変調を受け独特の味をだしている。 また、完璧な東北弁(ズーズー弁)を操るバイリンガルで、伴淳こと伴淳三郎にそっくりなお声である。昔『カーちゃん、一杯やっか?』のコマーシャルに出ていた伴淳だ。時々英語も喋るが、こちらはちと怪しい。

彼の交信はなんでも有りだ。伊東ゆかりに痛くご執心で、『小指の思い出』などは、彼の愛唱歌である。

『あなたのう 噛んだあ 小指があ 痛いー 昨日の夜のおー 小指があ いーたいー』  と、ここまで歌って急に、

『昨日の夜の小指が(きんのうのよんるのこんゆびが)朝までいでーわけねだろ!』
と自己つっこみを入れる。これを東北弁でやるので、聞いてる方は抱腹絶倒となる。

また、雑学にも知識が豊富で、
『けさあ、糞垂れたら、いんろがまあっくろなんだあ。こりゃ具合 でもわんるくしたかんべえと思ったが、きんのうほうれん草喰った のを、おんもいだしたあ。ほうれん草にゃ鉄分が入ってるから、糞がくんろいだなー』
PXBにも同様な経験があるので、妙に感心してしまった。

彼の交信の締めは、日めくりその他から取ってきた『今朝の一言』。
それを、交信しているもの、ワッチしているもの一同が有り難く教訓を拝聴して終わりとなる。

外国でもこうした事例はあるようで、少し前のQSTにもVHF/UHF帯で何時もラグチュウをしているElmerの記事が載っていた。お爺ちゃんの話は、リフレインが多いので、聞き飽きることもあるが、何故か懐かしくダイヤルインして聞いてしまうとの内容だった。

彼以外にも、なかなかいい味出してる方も多いので、このバンドの彼らを末永く大事にしたい。


GUD NITE
DE JP1PXB/JA1VJQ


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