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<<第69夜


アマ無線千夜一夜物語 第七十夜  December 11, 2001 3:55 PM

第七十夜 7メガのDX伝搬状況 (DX Propagation on 40m)

とうとう七十夜です。最近DXに目覚めて、7MHzのLow Edgeで

m(▽@)m  CQ DX DX DX .................

などとやっている王座様ですが、A1 ClubはNew Comerが多い
そうなので、一度7MHzのDXに関するおさらいをしておきましょう。

意外と理解されていないのが、このバンドがSuperDX Bandであ
る事実です。 私もビギナーの頃、Low Powerで到達するのに
驚いたことがあります。しかし、この点はDXerにとって周知の事
実なので、これからサンスポット数が下がってハイバンドに散ら
ばっていたDXerが一斉に、下に下がって来ると、7MHzのDX競
争が激化する傾向にあります。ここで一句、

     『飛んで見て、跳んで驚く、短波かな』

<CW局の Spread Outの仕方>
周波数は以下のように使われています。

7000-7010
DXに対するhard coreの周波数帯になります。
最近注目の周波数は7009です。以前はDXの出没する定番の
周波数は7005でしたが、最近は7009が注目される周波数に
なってます。Low Edge7001近辺は、QRMの為か珍局は少ない
状況です。ここは、常に丹念にスイ―プする必要があります。

DXが完全にFade Outしてから、7006-7007当たりにQRP局が
出てきます。JA1AAのカードが欲しい人は、この辺で待機。

7010-7020
上記の周波数帯よりも、DXの出てくる確率は下がりますが、こ
こでDX Peditionや珍局が聞こえるときもあるので、注意が必要
です。冬季以外は、和文蛸壺親父と共存共栄でやる必要があり
ます。

7020-7030
国内の英文交信の隙間に、DXがちらほらと聞こえます。しかし
国内通信にマスクされることが多く、上手く周波数を確保してお
く必要があり、近接周波数に影響されない、良い耳を持つ必要
があります。珍局の確率はかなり下がりますが、西海岸などと
ノンビリした交信をするには良い周波数です。

DXに応答しても、気付かずに一生懸命呼んでくるJAのヘボが
いますので上手くコールが取れなかった場合でも、相手のコー
ルサインのカケラでも入れて、『お前じゃない』 事をハッキリ示
さないと、いつまでもJAにコールされます。

7030-7040
この領域は、米国などではまだCWバンドです。丹念にワッチ
すると、英文の平文によるラグチューが行われています。英
文の受信練習に最適で、どのような語を略し、どれをフルスペ
ルで打っているか、とても参考になります。米国内でワッチし
たところ、7034KHzは常に誰かが出ていました。冬季のお勧
めです。

この辺の周波数は、7044KHzの北朝鮮のテポチンが出すTTY
のスペクトルの広がりで、ノイズを受けています。

またYBの海賊、シナ人の漁船が7000KHzから5KHz刻みで
運用しくさって、特にオーストラリア辺りでは使い物にならなく
なっているようです。USB/LSBを上手く使い分けてます。スタ
ンバイ時に『ガンディ=どうぞ』と言っています。仕事仲間のイ
ンドネシア出身のWillyには、だいぶ楽しい言葉を教わりました。

『カルワラ、バービー=出て行け、ブタやろう』 (ちなみに、豚
はイスラムでは不浄の動物でYBはイスラム教の国)と優しく
諭すと、『ジャパニー?TOYOTA?』などと、お返事をしてくれ
ます。シナの漁船は、59+で来るのでこちらの激怒だけは
強力に通じるらしく、どいてくれくことが多いです。


<季節変化>
秋季:このバンドのDXシーズンの開幕は、9月の終わり頃です。
この時期に、耳栓が抜けたようにスコーンとヨーロッパが聞こえ
始めます。また、北米方面の信号も強くなってきます。

冬季:DX絶好調のシーズンです。問題は、朝まずめは朝5時
になるので、寒い朝早起きするのが大変です。でも、必ず聞
こえるJAの人がいるので、脱帽です。JA1TWP, JA7AMK, J
A7CUXなどが常連ですね。

春季:冬の名残が残って、4月一杯はDXが楽しめますが、5
月頃からガクンと下がってしまいます。

夏季:いわゆる夏枯れが始まります。しかし、ボトムに住む人
間にとっては冬季になりますから、AF方面のアクティビティが
上昇し、朝3時頃からZS6辺りが強力に入感します。

<日周変化>
基本的に夜のバンドで、HFハイバンド21MHzからDX開眼した
人から見ると、違和感があるかもしれません。

基本的に朝まずめ、夕まずめの時間帯が一番DXに対しては
重要です。

EU方面: 04:00 --- 07:00JST / 17:00---18:00JST (LP)
AF方面: 03:00 --- 06:00JST
NA方面: 15:00 --- 24:00JST / 06:00---07:00JST (LP)
SA方面: 05:00 --- 07:00JST / 17:00---19:00JST
AS方面: 17:00 --- 07:00JST
JW/JX/LA方面:   夜間不特定の時間にポツンと入感。
             (極圏の影響でLPの場合もある)
VP/KP/HI方面: 17:00 ---20:00JST パイル大。先に見つける

Low Band DXで特に重要なのは、明け方のD層の振る舞いで、
夜明けと共に、D層の電離密度が上昇しはじめ、これが正午頃
最大になると、80mの電波は完全に吸収され使いものならなく
なり、40mの国内でも正午前後に、国内が弱くなることに関連
します。ところが、夜間に消滅していたD層が、明け方太陽に
励起されて、密度が上がり始める途中、40mの電波を綺麗に
反射してくれる時間帯があり、一度D層に反射した我々の電波
が、非常に低い打ち上げ角でEU方面に飛んでいきます。これが、
明け方EU方面が、異常に強く送受できる原因です。
夕方にも同様のことは起きるのですが、方向性が逆で、朝方
程の大きな効果がでません。

この点は重要で、夜のバンドと言っても、パスが夜の部分を
通過し、かつ、必ずどちらかが『明け方』であることが大事です。
特にQRPでの運用は、世界時計とにらめっこしながら、ベスト
の時間を検討して運用します。


<世界各地域に対して>
1)対アジア・オセアニア
50W+ダイポールでお釣りがくる近さです。ところがヨーロッパ
から見ると、我々から見るウエスト・インディーズと同じであり、
EUにとって、JD1でもかなりの珍局になり、パイルが渦巻いて
いるのが良く聞こえます。

2)対北米・南米
ここも、ウエスト・インディーズ以外はパスは容易です。中南米
のパスも楽ですが、局数が少ないので最初に見つけること。
100Wにダイポール又はMulti Bands GPの世界で十分でしょう。

3)対ヨーロッパ
対ヨーロッパに対しては、ウラル山脈あたりで墜落する局が多
いと思います。昔、10Wの壁が大きく涙を飲んだ局長サンが
あまた存在します。
当時は、10Wでも短波だから飛んでいるはずと思っていまし
たが、いろいろ調べたり聞いてみると、『単に聞こえてない』
そうです。即ち、最初はEU内のQRMは相当なもので、JAの
信号はだいぶかき消されてしまっていると錯覚していました。
事実は弱い電波は、ウラル辺りで『掻き消えている』のでした。
Hi

EUはカントリーも多く、多数聞こえているのに地団駄ふんでま
した。ここと100Wとダイポールで交信するには、幾つかの条件
があります。
  ●相手がビームでかなり強い信号であること
  ●コンディションのピーク、冬の朝を狙うこと
です。QRPでは、上記の2条件が特に良く、しかも運に恵まれ
る必要があります。

4)対アフリカ方面
ここの問題点は、相手がいないことです。地図を見るとわかり
ますが、インド洋経由のパスで減衰もすくなく、特にAF東海岸
は、パイルさえなければ100Wとダイポールで楽勝です。

AF西部については、これまでの経験だとかなり強く、耳の良い
局が多いので、オープニングすれば大丈夫です。しかし、この
方面は、局の少なさとオープニングの頻度の少なさから、東
海岸と比べると、ハードです。また、EU局に競負けることも多い
ので、チャンスが少なくなります。

QRP局はZS6だけで、我慢しましょうね。


<必要な設備>
このバンドの設備に関しては、上限も下限もありません。それ
ぞれのレベルでDXを楽しめます。簡単に飛ぶバンドでもあり、
簡単に飛ばないバンドです。聞くには、5mのワイヤがあれば
何処でも聞こえますが、自分の設備の能力/限界を知り、伝
搬状態を見極めた運用能力を要求されます。

QRP局が40mで容易なDXは、米国での朝まずめ時となる冬季
の21:00---24:00JSTの間は楽勝でしょう。それと、AS,OC,SA
方面は常にチャンスが開けています。

パイルを抜いたり、CQを出すことを考えずに、丹念にワッチに
徹すれば100Wとダイポールでかなり飛んで行きます。100カン
トリーは簡単です。取れようが取れまいがどっちでも良いなん
て考えている、なんちゃってDXerにとっては大変ですがね。

NETを使えば、効率はあがるでしょうが、面白いゲームをナンで
つまらなくしているという疑問があり、利用してません。コール
を取るのだって技だモネエ。


<まとめ>
CWによるDXは、今後衰退していくと思われます。今更大型の
アンテナとパワーで、599/5NNなどとやりあうショートQSOは流
行らないと思います。国内に目を向けても、最近DXパイルに参
加する局数の減少には、皆が気付いています。
しかし、DXに目を向けると、いまだに多くの局がQRVし続けて
います。この状況はもう少し楽しめるでしょう。

   『ま、好きなもんはしょうがないよな』
   『7メガ、好きやネン』
   『飛ばなくても、気にしない』

が、簡単な結論ですね。

王座様より


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